温泉文化研究所(HOME) 》 別府温泉共同湯 》 NO.90 鶴の湯




鶴乃湯
  別府3大秘湯という言葉があります。実際日本三景など日本人は昔から”3”という数字にちなんで物をまとめるのが好きなことは否めないところでしょう。そして、実際に別府にはいわゆる“野湯”と呼ばれる“無料の露天風呂”が3つ存在し、そのすべてが「泉質・ロケーション(秘湯度)・地元密着度」などにおいて「別府ではすばらしい」だけでなく、全国的にも群を抜いてすばらしい存在となっています。それぞれにタイプの違うすばらしい個性を持った“ほったらかし温泉”がここでとりあげる「鶴乃湯」「鍋山の湯」「へびん湯」なのであります。
  鶴乃湯は後述の2つの野湯がアプローチの仕方という点において類似しているのに対して、ややその2つとは離れた印象を与える温泉です。それはこの温泉だけ山の斜面で見れば高度が低いのです。(直線ではそんなに離れていません。事実後述の鍋山の湯へ行く途中からはこの鶴の湯が見えるからです)。鉄輪温泉から国道500号を明礬温泉方面へたどってくると別府インターの手前付近で、明礬温泉方面への分岐が表れ、右折するような感覚でより山の方に国道は向かいます。右折後まもなく共同湯・照湯への分岐点を左に過ぎ、きつい坂を上がっていくと進行左手に「鶴見霊園」という案内看板が出ます。ここがつるの湯の入り口です。左折しましょう。(国道で高速をくぐってしまうと行き過ぎです)最初は坂がいままで以上の勾配で続き道も細いので心細くなります。やがて高速道路に出ますので下をくぐってください。(ここで別の鶴見墓地?みたいな案内が右に出ますが無視して直進してください)直進すると本当に霊園に出ますが、そのままお墓の横を通過しながら更に坂を登り続けます。(余談ですが、つるの湯は24時間いつでも入れますが、このアプローチ方法の為に初めて来る方が日が暮れて近づこうとするとかなりの強心臓でないとお墓を突っ切れないと思います。元々ホラー関係が苦手という方はその手前の高速をくぐる段階で真っ暗に近くなりますのでそのつもりで。ちなみに私は22時に自転車でやってきた強者と会ったことがあります)道は最終的に「転回所(ロータリー)」とかかれた土管が建つ、円形の場所に出ますので、車の方はよく考えて駐車しましょう。(ここは実際に霊園にいらっしゃる方のためのマイクロバスの転回所となります。そういう車が転回すると言うことを頭に入れて駐車してください。これが守られないとこの場所からのアプローチはできなくなってしまうかもしれません)。その先、車止めがあり、登山道のような土が露出している道が続いている入り口から50〜100メートル歩くとそこが目指すつるの湯です。湯船は源泉が自然に流れ出すことによって形成された温泉の川をせき止めるような形で成立しており、二段〜三段になっています。そして脱衣所の前にある一番山側の湯船が泉源と直接つながっており、3大秘湯の中では「最も泉質がよい(湯が新鮮である)」と評判です。実際足元自噴泉といっても良い様な湯の湧き方をしており、帰宅後も2〜3週間は硫黄の香りがとれないような濃厚な湯を楽しむことができます。


10年くらい前に愛用のスチールで撮影したものをスキャナーで取り込みました。。
  この温泉は私が25年ほど前に購入した露天風呂のガイド本に載っていました。その時の画像は今私が使っている湯船のみが丸く口を開けていて、その周囲は、今はずいぶん後退してしまっている芦か葦状の植物が周囲を取り囲み、本当に“知る人ぞ知る”という感じの秘湯感あふれる野湯でした。   この10年ほど前の画像と2008年の画像を比較しても周囲にほとんど変わっていることはなく、地元の愛好家の方たちが少しずつ手を入れて歩きやすい今の形に持って行ったのだと言うことがよく理解できます。また湯はその時々で色が変化し、温泉は天候と同じく自然の物であることを痛感します。


  いまだこんこんと湯を産み続ける湯穴から硫黄の濃い香りがする湯が自噴しています。   解放されているのが不思議なほどの温泉文化遺産とも言うべき露天です。




2008年1月再訪しました。(早暁の鶴乃湯。日の出前に行きました)
  いつも通り6時半頃起き出して1番風呂候補を考えたとき、まだ真っ暗だったので、車で行けるところと思い、久しぶりに来てみました。   すると・・・最終訪問は2年くらい前だったと思うのですが、今回また手が入っていました。
  この2段目の湯船が旅館並みに立派な石組みのお風呂になっていました。   是により、深さが安定し、更に湯底もなめらかになりもはや野湯とは呼べないかもしれません。
  ただ、背景の自然の濃さはあまり変わっていませんでした。ここの背後を振り返って、山肌を見ると同じ硫黄泉であった今はなき、栃木の至宝「高雄温泉」に思いが馳せます。   更に湯船よりももっと驚いたのがこの2段目の湯船の下手に作られた休憩所です。まあ、プロの仕事ですねこうなると。(しかしこういう場所で湯上がりに涼むのに使うならばともかく、石けん類を使用する方がいるのでしょうか。ちょっと微妙です)
  源泉です。自然に自噴しています。   上段の湯船。源直湯です。


  日が差してきました。ここは谷筋に当たる地形の為、前にある小さな尾根を超えないと日が差しません。   直射日光が当たるようになると入浴には適さなくなるので退散しました。




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