温泉文化研究所(HOME) 》 別府温泉共同湯 》  NO.64 鉄輪すじ湯温泉


すじ湯温泉
  鉄輪すじ湯温泉はその名の通り、鉄輪温泉の温泉街の中にあり、はしご湯という視点で見ればまさに王道の立地にある共同湯です。すじ湯温泉の最寄りには別府市営の熱の湯や蒸し湯があり(いずれも徒歩1〜2分)、双方ともに魅力的な施設ですし鉄輪温泉街全体でも渋の湯温泉・地獄原温泉・谷の湯・上人湯(いずれも徒歩5〜10分圏内)などと簡単にはしご湯ができ、そのどれもが魅力的なのですが、やはり当研究所的にはすじ湯温泉と渋の湯温泉に軍配を上げたいと思います。その理由は「湯の濃さ」にあります。鉄輪温泉には元々泉質としては“塩化物泉系”の湯が多いのですが、このすじ湯温泉の湯はその中でも特に濃いものであるように感じます。それにはまたまた理由があり、“非加水”というのがポイントです。この共同湯、中にはいってよく見ると水道の蛇口(カラン)がありません。そして「石けん・シャンプー類使用禁止」と掲示してあります。この2つを結びつけると「なんだカランがないから石けんなど使用禁止というなら共同湯の意味がないじゃないか。だって共同湯は湯を湯船から汲んで使ってこその醍醐味だろ」と早合点したくなるかもしれません。しかし、違うのです。この温泉はその“湯船から湯を汲む”という行為をむやみに行って欲しくないからこそ、「石けん類使用禁止」とうたっているのです。そう、湯船の湯が減ってしまうと熱い源泉を注がなければならないわけですが、湯温調節に水が全く使えないので、熱湯のような源泉を注ぐだけではうまく調整ができない、だから元々湯船内で適温となっている湯をむやみに汲むな、というわけです。(この話は入浴中に地元の方に伺いました)。ここで、営業時間にも触れなければなりません。この温泉は他の共同湯が皆21時〜22時頃まで営業している(但し上人湯のみ夕方から組合員以外は入浴不可となりますが、地元の方は22時頃まで利用できます)中で、19時半に消灯します。この後清掃、湯をためて、翌朝6時半から営業となるわけですが、おおむね清掃終了する20時〜21時の間に湯(熱湯)を貯めはじめ、非加水で適温にさますそうです。自然な冷却を待つと9時間以上必要なのですね。(これで21時まで営業したら翌朝は8時ないしは9時からしか入浴できないという事になってしまうというわけです。)
  ここまでして守られているすじ湯温泉の源泉はやや黄色っぽくまた緑っぽく(若草色といいましょうか山吹色といいましょうか)、軽い塩味とその他の複雑なミネラル類の味がするとろりとした湯です。施設内部は別府らしい脱衣所一体式の浴室で、男女ともしきりの壁に沿って長方形の湯船があります。


すじ湯温泉×
2008年1月再訪しました。
  こちらは昔のすじ湯温泉。入り口の前に大きな建物があり、どちらかというと裏路地系の共同湯でした。   同じく昔の入り口。
  その後このように前の建物が取り壊され、開放的になりました。   こちらは今空き地になっている敷地にある巨大な源泉です。
  以前はあまり感じることができませんでしたが、左右均整のとれた美しい浴舎です。   男湯は右。浴室の外側にトイレが付いています。
  中央のアルミドアを開けると左右に通路が延び、途中にウェスタンの酒場の様なバネ式のドアが付いています。   その奥が浴室です。
  目隠しがきれると浴室が目に入ります。   脱衣棚は広く、また小物置きがあり、大変使いやすいです。
  こちら2008年の湯船。   源泉はここから注がれています。棒を抜くと湯船へ。
  こちら2005年の湯船。   画像を比較してみてわかりましたが、どうも内装を塗り直した様に感じます。


  なんとなく絞りきれずに6枚も貼ってしまいました。   いい温泉なのですが、どうも人が少なく寂しい感じがします。
  石のあちこちに析出物がこびりついて変色しています。   下:かなり古い画像です。
  この時が初めてだったのですが、一番緑が濃い気がします。   すこしアングルを低めにすると面白い画像になりました。



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