温泉文化研究所(HOME) 》  北海道小話

北海道小話
  当研究所が北海道を初めて意識したのは、30年近く前に駅に貼ってあった青春18のびのび切符(現在の青春18切符)のポスターを見たときでした。私はJRの駅に貼ってあった「地平線路」「点と線路」というキャッチコピーの入ったPR用の2枚のポスターを駅員さんに頼んで譲り受け、部屋の壁に大学卒業まで貼っていました。このポスターは原野以外は何もない風景の中をただ鉄路が延び、そこに汽車が走り込んでくるという物でありました。地平線路は確かロケ地がサロベツ原野のどこか(まあ抜海駅の周辺だったのでしょう)、そして点と線路はサロマ湖沿線だったので、今はもうない湧網線のどこかだったと記憶しています。当時北海道の鉄路の総延長距離は、一番最初に廃止された白糠線さえまだ現役のころであったので、かなりの長さであったことでしょう。私は大学合格と同時に当時人気を呼んでいたJRの旅の企画「チャレンジ2万キロ」に申し込み、8月の渡道を目指して、アルバイトなどをしました。そして2〜3週間の間、寝袋一つ持っただけでワイド周遊券と共に北海道に旅立ったのが記念すべき最初の渡道でありました。(ワイド周遊券は20日間有効でしたが、20日目に帰路に入って駅からでなければ、21日目も22日目も有効というルールでした。例えば、20日目の夜に稚内を急行利尻でたち、翌朝札幌で函館行き特急に乗り昼に函館、青函連絡船利用の後、夕方青森駅で急行八甲田に乗れば翌22日目の朝に上野に着きます。この間途中下車しなければ追加料金は取られませんでした。)
  旅をするのに北海道くらい快適な場所はありません。とにかく人口密度の低さからくる旅人の受ける恩恵は計り知れず、宿・キャンプ場・温泉、何をとっても安かったのです(温泉は1984年当時のみの話です。現在はあまり安価とは言い難くなってきています)。その中でも、このコンテンツでは主に(無料の)キャンプ場を取り上げます。



   なぜ、キャンプ場か。それはいろいろな旅人の受ける恩恵の中でも、九州の温泉の料金と同じくらい、北海道のキャンプ場の料金は驚異的なものだからである。本州の人間にとっては九州の温泉の料金は驚きだ。別府は100円以内で入れる銭湯(共同湯)が100軒ほどはあるであろうし、大分に範囲を広げればもっと、200円以内で九州全域となったら、もうフォローしきれない、温泉に200円で入れるというのはすでに本州の人間にとって常識はずれなのだ。それはやはり湯が日常的だからである。
   そして、九州に“水”の様に“湯”があるのと同様、北海道には“土地”が普通にあるのだ。だからキャンプ場は特段整備されているオートキャンプ場でなければ、北海道以外に住んでいる人からすれば驚異の値段で営業(?)しているのである。



夷王山キャンプ場
 北海道のキャンプ場の中でも屈指のレベルを誇る夷王山キャンプ場。この広さを独占して、この眺望も独り占め。そして夷王山キャンプ場(いや北海道のキャンプ場全てか?)の最もすごいポイントが、この条件で無料なのです。北海道の全キャンプ場の何パーセントかは自治体によって「公園」の様に整備され、その多くは開放されています。つまり予約もいらなければ、使用料もかからないのです。   もちろん使用料が無料なので、車の駐車料金など全く必要ありません。これが、本州ならば基本的にサイトの使用料が4〜5千円、駐車料金が1〜2千円。キャンプ場使用料が使用人数一人につき5百円から千円となります。
 更に北海道では有料であっても、全使用料が合計で500円以内のキャンプ場ならば簡単に見つけることができます。この様にあって当たり前の土地を利用した北海道ならではの事情がご理解いただけると思います。
  ここは、お気に入りの場所の一つでした。このまま一時間も待ち続ければ、正面の湾に夕日が沈みゆく。画像から見下ろす港町は昔、ニシン漁でにぎわった江差です。料理の材料はここで仕入れてキャンプを行いました。   この当時のテントは丁度二人用を使用していました。非常に優秀なテントだったのですが、やはり雨天時に前室がないと靴の置き場に困ったものでした。この後、10人用のテントに買い換えました。(笑)


士幌航空公園キャンプ場
  こちら道東でもお気に入りの士幌町の航空公園です。背景でわかるとおり、全日本気球選手権(なんとHondaのサポートでF1みたいに全国を周っています。)の会場の一つです。ここも無料です。当時の移動研究室一号を横付けして使えました。   背景のテント密度からこのキャンプ場の人気の度合いがわかると思うのですが、キャンプではとにかく隣のサイトとの距離がないと、うるさく又落ち着きません。そういう意味でも北海道は条件の整ったところが多いです。



賀老高原キャンプ場
  狩場山の麓に位置する自然が濃〜いキャンプ場です。ここも無料です。少しだけ山の上の方なので、ここの特徴は空気がおいしい、眺めがいいなどの他に、ヒグマに対しての対策が求められます。生ゴミなどキャンプの後始末をしておかないと、襲われても自己責任と言うことになります。   また、水が驚くほど冷たくおいしく、最初から水割りに使用したり、子供にはカルピスなどを作っても、水道から夏でもきんきんに冷えた水が出てきます。周囲にはハイレベルの温泉が連なり、千走川温泉や宮内温泉もすぐ近くです。ちょっと距離がありますが、ニセコにも行けます。

??温泉
  オマケですが、北海道には無料の温泉も多く、無料のキャンプ場に泊まり、無料の温泉に行けば、お金は全て食費に回せます。   この温泉は今はなくなってしまいましたが、とても良いところでした。グループごとに貸しきりで使う、仮設湯のような物と言ったらよいでしょうか。


  更にオマケですが、このスケールが北海道です。全く遮る物がない地平線や道、緑の牧草地などが当たり前のように存在し、そういった環境の中で日がな一日ぼんやりとしていられるのが北海道の旅なのです。   よく「まっすぐの道」と言いますが、マップ上ではそのように示されていても、このように視界にはっきりと捉えられる場所はそうたくさんはありません。この上の画像は道東でも穴場として知られる場所です。
  そしてこの下の画像はお気に入りの場所、兼金沼(かねきんとう)のそばの地平線が見える丘です。   兼金沼自体も人が全く来ない美しい湖ですが、その周囲のロケーションも実に素晴らしいです。

温文研ホームへ


inserted by FC2 system