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野沢温泉

  野沢温泉は長野県の北部に位置する野沢温泉村にある温泉です。ちなみに好きな人にはたまらない食べ物である、野沢菜の名称もここに由来します。温泉街は麻釜(おがま)と呼ばれる、有名な野沢菜の煮炊き(使用目的はこれだけではないのですが)などにも使われる巨大な源泉群を中心に急斜面に広がっています。温泉街はほとんど平らなところはなく、階段やスロープを歩かないと巡れません。また、車を用いるのにも全く適していません。しかし、ここは歩くのが楽しいのです。漬け物やおまんじゅうなど温泉街と山にマッチした物をひやかしながら、13のそれぞれに個性的な外湯を巡る、ここに野沢温泉の魅力はつきると思います。


訪問について
  野沢温泉への訪問はマイカー、公共の交通機関どちらでもお勧めしますが、マイカーの方はPに苦労します。宿泊の方は宿泊施設にお問い合わせください。温泉街の散策と日帰り温泉を楽しまれる方は少し歩きますが、温泉街の中心にある有料P(横落の信号)よりも、そこから坂を100メートルほど下った新田ターミナルのPをお勧めします。利用料は無料(ただしスキーのハイシーズン及び、GWやお盆などハイシーズン除く)、しかも共同湯13軒の入浴をコンプリートするためには有料Pよりむしろ中尾共同湯と横落共同湯の中間に位置し、歩くバランスも良いのです。ぜひ、お試しください。
  ただし、駐車した後は一旦は横落の信号の所にある有料Pまで行きましょう。ここの料金所で共同湯マップをもらわないといきなりの方は時間のロスが大きいかもしれません。(温泉街をさまよい歩いて独自の発見をしたいという方にはお勧めしません)

   
     ※スキーのハイシーズン時の駐車料金と駐車場所
   冬の12月20日頃(年によって前後します)から3月31日まで野沢温泉は別の顔を覗かせます。冬のスキーやスノボ客の温泉利用率は想像以上に高く、逆にマイカー利用の方は皆宿に泊まる上、雪で荷物のやりとりも大変なので、基本的に駐車スペースの確保の仕方も違ってきます。まず、冬には横落の湯の前のPは大型バスの専用発着場となり、駐車できなくなります。また、新田Pは有料となります。料金は普通車(5メートル以内の国産キャブコンはぎりぎりセーフ)で2時間200円、昼間500円、1泊2日(土曜朝から日曜夜までなど)1500円です。但し、5メーター以上の車はマイクロ料金というのがあり、確か一泊で3600円だった気がします。
        
※平成18年の最新のうわさではこの駐車場は通年有料化されたらしいです。訪問の方は自治体などで確認してください。      
冬の新田P。1500円。 冬の野沢も一度は来る価値があります。



おそば
 湯上がりにはざるそばがよく合います。改めて言うまでもなく信州はそば処としては日本で三本指にはいるかと思われます。野沢まで来たなら、温泉街での食事もいいですが、ざるそば(本当はのりのかかっていないもりそばがいいのですが)にこだわって、周囲のお店も訪ねたいものです。
西の茶や  国道292の豊田ICからの道と中野方面からの道が交差する付近にある食堂。濃い味のかつおだしがむせかえるようなたれが好きな人にはやみつきになるざるそばが食せます。本当においしいです
朝日や  国道403号沿いの小布施町の中心にあるおそばや。ここの大盛りざるそば840円はそば好きの人には圧巻です。旨い、盛りがすごい、安いの三拍子そろった店。当研究所はこの辺に行けば必ず立ち寄ります。冷やしキノコそば大盛りもお勧め。
長野や食堂  穂波温泉の共同湯大湯の前の食堂。小さな何の変哲もない店ですが、ここの麺はおそばもうどんも手打ちで、特に山菜そば・うどん(600円)がお勧め。麺もおいしいですが、この値段で具の量は感涙ものです。そして更に温泉ファンにはものすごいおまけが付きます。これは行ってみてのお楽しみ。
とみくらそば  ある意味この辺のおそばの王道。飯山市の新潟県境の富倉集落はそばやさんが固まっています。そば好きにはわざわざ行く価値があるエリアです。そしてここにも、おまけが。


穂波温泉 長野屋食堂の山菜そば

お袋の味です。
小布施 朝日屋の大ざるそば
これで840円
笑いが漏れてきます。

そばマウンテンあらわる

標高15センチ。

つゆはお代わり自由
  朝日屋の冷やしキノコそば。実はどんぶりは深く、ものすごいボリュームです。このお店はざるも含めて冷たいおそばにもてんかすが付きます。温かいそばと違いかりかりとした触感が失われません。
『西の茶屋』の大ざる。

ボリュームは押さえがちですが、味は天下一品。

このお店は他に鍋焼きうどんや定食があり、食事には万能です。そば以外のメニューはボリュームもすごいです。


   しかし、やはり計算しておなかをすかせると言うわけには行きませんので、温泉街でどうしても食べたくなった時には上のお店ほど強力ではありませんが、一軒だけご紹介します。
そばどころ 鈴木
  そば処 鈴木は新田のPより徒歩3〜4分。共同湯『新田の湯』からなら徒歩30秒です。共同湯より坂を上がった最初の角にあります。
  上の画像は珍しいお漬け物です。確か、いもの類と言われたと思うのですが、触感としてはショウガみたいです。右は薬味三種とつゆ。つけつゆは魚の香りがぷんぷんする物で、みりん系の甘みがやや強い感じです。このままでも飲めますが、そば湯が濃くてこのつゆと併せて飲むとおいしかったです。
キノコそば大盛り。1050円。
大盛りは皆100円増し。
大ざる2人前。
どちらか一山で880円。
しゃっきり細麺でそばはぷんぷん香ると
言うほどではないですが、おいしく手頃
な値段の部類だと思います。



温泉街の風景
  大湯に至る段の横道に広がる温泉街。朝8時頃のカットです。
  霊泉真湯温泉街。野沢温泉の温泉街全体が共同湯を中心にして、「上寺湯温泉街」などいくつかのブロックに分かれています。
  いつも思う不思議なおそばやさん。そば粉98%とは?きっとものすごく正直なご主人なのでしょう。ちなみにメニューはざるそばと天ぷらのみです。直球勝負のおそばやさん「庄平そば」です。そば粉がいい時期である半年間のみ(新そばから春まで)の営業です。
  今も生きる洗濯湯の文化。朝、おかあさん達の姿を見ることができます。ちなみにこの湯貯めは十分入浴可能です。
  野沢菜発祥の碑が残る神社。少し上るとあります。ここを経由して麻釜に行くのが通です。
  温泉街に響き渡る山の沢水。あちこちにものすごい量の水が流れており、温泉街に沢音が木霊します。多くは冬の雪流し用と思われますが、中には飲めるようにしてあるところもあります。階段の上がり下りに加え、共同湯のはしごには冷たい水は本当にうれしいのです。
  麻釜(おがま)です。麻釜とはこのエリアに5つある、100度近い源泉の総称で、一つ一つには「下釜」「茹釜」などと名前が付いています。  
傾斜地の証明。
この様にこの麻釜の中にも段差があります。
  今も生きる麻釜。湯は98度です。他に兵庫県の湯村温泉、和歌山県の湯の峰温泉などでも見たことがありますが、ここの味はここにしか出せません。(規模的には湯村温泉もすごいです)
野沢菜発祥の碑です。
  野沢菜です。9月には一斉に茹でられ、漬け物となります。製品として出てくるのは10月以降という事でした。
   夜の足湯。最近タレントの長谷川京子がここでCMとりをし、野沢の知名度が予想しないところで上がりました。
   野沢の冬の顔。ゲレンデは一番近い所がここで、共同湯秋葉の湯から、徒歩2〜3分。ちなみに、ボードはレンタル2500円(一日)リフトは4千円(半日)です。逆に言えば、滑り終えたら、わずか5分足らずで、もう湯船に浸かれるというわけです。
真冬の麻釜。
冬の夜の温泉街。
春の野沢温泉 GW頃



麻釜
この5つが「おがま」と呼ばれます。


共同湯
   野沢温泉には温前街全体に13の共同湯があり、午前5時ころ(季節によって変動あり)から午後11時頃まで誰でも自由に無料で入浴することができます。すべての共同湯が湯仲間と呼ばれる組合で運営されています。また、13のうち半数程度の共同湯は共同湯用の独自源泉を使用しています。半数程度は麻釜から引いています。湯小屋、浴室など皆個性的ですべての共同湯が適当な距離に離れ、また歩いて行くことができる絶妙なバランスとなっています。宿泊の方は前の晩に7つ翌朝に6つなどと決めて、マップを見ながら全部入るといった人もいます。
新田の湯   新田Pより徒歩一分。車中泊の場合、ここか横落の湯に行くのがベストです。
十王堂の湯   当研究所一押しの共同湯。季節や天候、気温等によって色を変える湯は美しく、また共同湯としても王道をゆく姿です。
横落の湯   Pより2番目に近い湯。ある意味一番わかりやすい。13の外湯のうち唯一複合施設となっている。
大湯   当研究所の扉にもなっている野沢温泉の象徴。独自源泉である大湯源泉使用。
河原湯   野沢で一番優しいと言われる独自源泉河原湯を持つ共同湯。美しい澄んだエメラルドグリーンの湯。
麻釜湯   麻釜(おがま)の真下にあり麻釜から湯を引いていますが、なぜか名前は「あさがまゆ」。
秋葉の湯   同じく麻釜から湯を引く共同湯。洗濯湯が室内にあり、冬も便利。
まつばの湯   坂の途中にあり、男女とも階段を上がる作りとなっている唯一の共同湯。
上寺湯   唯一の独立した洗濯湯を持つ共同湯。その洗濯湯はどう見ても共同湯です。
中尾の湯  麻釜からは最も遠い湯。入り口に野沢菜の収穫期は浴槽でも野沢菜を茹でるので入浴できませんとあります。ただただびっくり。
熊の手荒い湯  野沢で唯一2つの源泉を使用し、源泉の違いを味わいながら別々に入浴できる共同湯。熊の手荒い湯源泉は本当に優しい湯です。
真湯霊泉  固定ファンナンバーワンの真湯。もちろん独自源泉です。湯は、透明なエメラルドグリーンに白と黒の湯ノ花が一杯だったり、メロンクリームソーダのような乳緑色だったり様々です。湯ノ花の量は圧巻。特に黒湯花がすごいです。
滝の湯  唯一麻釜より高い所にある共同湯。もちろん滝の湯独自源泉です。
共同湯


十王堂の
  上:3月の十王堂の湯。


  左:師走の十王堂の湯です。この前に十王堂と呼ばれるお堂があることに由来します。中には戦いの守護神が・・・。
  斜面を横につなぐ小道に大湯と十王堂の湯が連なります。この背後に200メートルも戻れば大湯があります。   秋の十王堂の湯です。十王堂の湯は2階建てなのですが、一階が女湯、二階が男湯という、ここ十王堂だけの作りとなっており、その贅沢な空間利用のせいで、実に内部が広々と感じるのです。
  夏の朝六時の十王堂の湯です。やや青みグレーがかっています。

夏の夜22時の十王堂の湯です。入り口に対して正面、右と二つの壁面が脱衣だなとなっています。湯は白っぽいです。

四角い木の箱から熱い湯が注いでいます。左のパイプは水、右にのびるパイプは熱湯のパイパスで、熱いときには湯を湯船に入れないようにします。
更に下
秋の十王堂の湯です。白がよりはっきりとし美しいです。季節や時間による色の変化お楽しみいただけましたでしょうか。なお、完全に透明になることもあるそうです。

更に下の下
朝は透明になることが多いです。


真湯霊
  一般的には最も固定ファンが多い共同湯の一つ真湯です。ここは湯の濃さ、熱さ、硫黄の強烈な香り、湯ノ花など強い個性を求める方のファンが多い気がします。逆に優しい湯のファンは熊の手荒い湯や河原湯へ行くようです。

  真夏の真湯です。クリアーなエメラルドグリーンです。真湯は初めて濁っていないところを見ました。


  
深夜の真湯。無人でした。
真湯で一番出会うことの多い乳緑色の湯。 手前のグレーのぽつぽつが黒い湯花です。
  この様に澄んだ色を見せるときもあるのだと痛感しました。   湯底の右端の黒ずみは汚れではなく、沈殿した黒湯花です。
冬の真湯。
  上諏訪の衣温泉のような湯になっていました。


夏の大湯です。
秋の大湯です。
冬の大湯です。
  3月の夜の大湯です。
  3月の早朝の大湯です。

温泉街には雪よけがかなりしっかりと対策されており、
昼間路上に雪を見ることはあまりありません。


大湯は大湯源泉を使用する独自源泉の共同湯です。
     下
  大湯の浴槽です。手前がぬる湯、奧が熱湯となっていますが、まあ、個々に体験してみてください。


河原
  上:冬の河原湯


  左:春、ゴールデンウィークの河原湯です。GWはまだまだおそばもおいしく、涼しくて温泉にも絶好と当研究所は毎年必ず訪問しております。
  真夏の河原湯です。22時頃でも、人はとぎれません。河原湯の源泉も河原湯源泉で独自源泉です。湯はクリアーなエメラルドグリーンの湯であまり湯ノ花もなく、湯は美しいのですが、ここの浴槽が真っ黒の材質で、当研究所の撮影技術では、それがとらえられません。
  浴槽です。河原湯源泉は67度くらいですが、温度のせいだけではなく、河原湯の湯は肌に優しいと地元の方は言います。
   大湯も河原湯も独自源泉の共同湯です。どちらの湯も大変美しいクリアーなエメラルドグリーンの湯なのですが、浴場の構造上の問題でバックが黒くなっておりその美しい湯の色が視認しにくくなっています。もったいないことです。
  この日は旧暦の前節句(6月4日)ということで信州の多くの共同湯で菖蒲湯となっていました。実に風情ある入浴が楽しめます。


熊の手荒い
  上:冬の熊の手荒湯


   左:「熊の手荒湯」。なんとも可愛らしく、またユニークなネーミングです。熊の手荒い湯は野沢温泉発祥の地とも言われ、ネーミングの由来は平安時代にさかのぼり、掌を撃たれた熊がお湯で洗っていたのを人が発見し、ここに移り住んで集落ができたというものです。熊の手荒い湯源泉は野沢で最もぬるく、43度と長湯に向いたのんびりできる共同湯です。
  伝承を裏付ける「熊の薬師」。共同湯の斜め前に立っており、この真裏が源泉です。  
秋の熊の手荒い湯です。
  このお湯の透明感。人が入っていても、湯があるのかないのかよくわからないほどです。なまめかしさをも感じます。


滝の
  上:冬の滝の湯へのアプローチ



   左:滝の湯は唯一麻釜(おがま)より更に上がったところにある最上段の共同湯です。瀧の湯源泉を使用した、独自源泉共同湯です。
  
  横です。美しい木造の湯小屋があちこちから眺められます。 
蛍光グリーンの美しい湯が掛け流しです。


上寺
  なんと洗濯湯です。野沢温泉では洗濯湯はすべての共同湯に付随していますが、ここ上寺湯のみ完全別棟となっています。小屋の中にはやや浅めの浴槽があり、もちろん入る気ならば風呂として使えます。
 上寺湯湯小屋です。上寺湯は麻釜から湯を引いていますが、他の多くの共同湯が茹で釜などから引いているのに対し、この共同湯は唯一丸釜から引いています。  
深夜の上寺湯です。
  完全に独立した建物なのでぐるぐる周りを回ってしまいます。
 美しい切石を使った上寺湯浴槽と洗い場です。こちらも夜貸し切りが多く、贅沢な時間を過ごせます。
  洗濯湯内部です。入り口の文字をよく見ないで勘違いして入浴してしまう人もいるのではないでしょうか。共同湯とのただ一つの違いは脱衣棚がないことです。
冬の上寺湯。
  若干濁りが濃かったようです。


中尾の
  温泉街からは最も離れた中尾の湯です。Pからもここだけは坂を下りから始まります。
  中尾の湯の洗濯湯です。中尾の湯は9月に訪問すると入浴できないことがあります。張り紙にはなんと、共同湯の湯船、洗濯湯の湯船すべてを用いて「野沢菜を湯がきます。」と書いてあります。共同湯の浴槽そのものを他の目的に使用するのはほんとうにここ野沢温泉だけではないでしょうか。そして、茹でられるだけの温度の湯が茹でられるだけ供給できるのがここ野沢だと思います。  
  中尾の湯浴槽です。すべて木でできており、肌触りがとても良いです。手前が一応ぬる湯ですが、まあ、ここも来てみて体験してください。
  冬の中尾の湯。歩いてくるのが大変でした。


新田の
      上:3月の新田の湯



   左:新田の湯はPから最も近い湯です。源泉は麻釜で下釜と茹で釜の混合です。新田Pからは道を横切り、公衆トイレの横の坂をそのまま上がり、みちなりに徒歩一分です。夜、寝る前に暖まったり、体を洗ったり頭を洗ったりと、浸かる回数はダントツでトップです。ここか十王堂の湯かどちらかに行きます。(十王堂の湯はここから徒歩2分です)
  
湯船です。
洗濯湯です。


横落の
  横落の湯は「よこちのゆ」とよみます。野沢で唯一の他の建物との複合施設となっています。
  入り口はこの様にかなり控えめです。この左のモザイク模様の陰に洗濯湯があります。  
湯船です。麻釜からの引き湯です。


秋葉の湯
  秋葉の湯は十王堂の湯からまっすぐさかを上ったところにあります。
  湯船です。麻釜からの引き湯です。
晩秋の秋葉の湯です。
  厳冬期の秋葉の湯です。
  この時には湯は濁っていました。


まつばの湯
  秋のまつばの湯です。まつばの湯は一階が洗濯湯、2階が浴槽となっています。
  夏のまつばの湯です。22時30分でしたが、まだ、人は5人いました。  
  湯船です。麻釜からの引き湯です。


麻釜
  麻釜湯(あさがまゆ)は麻釜(おがま)の坂の下にあり、麻釜(おがま)から最も近い湯なのですが、なぜか麻釜(おがま)と読まず(あさがまゆ)という呼び名となっています。
夜の麻釜湯です。
  内装が改装されていました。
  旧内装です。以前は脱衣だなと湯船の間の洗い場が妙に狭かったのですが、解消されていました。でも、前の方が雰囲気は良かったかも?



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